2003年11月2日、ブライアン・スレイブナスと15人の仲間たちが死亡した。いわゆるチヌーク型のヘリコプターに彼は搭乗していた。イラクで墜落したのである。ローズマリー・ディーツ・スレイブナスさんはブライアンの母親であり、次の手紙をブッシュ大統領に送った。(翻訳:若林一平)
私たちは悲しみ、あなたは儲ける。ワシントン、D.C.20502-4259
ペンシルバニア通り、1600番地ジョージ・ブッシュ大統領 殿
兵器査察委員会のデービッド・ケイ委員長の信ずるところによれば、現在においても過去においても、大量破壊兵器は存在しなかったという(AP電)。これに対して大統領は次のように発言したと言われています、「私にとっては疑いもなく、サダム・フセインはアメリカにとって重大かつ深刻な脅威だったのであり、彼がいないことで世界はより良いものとなったのだ。」
私の愛するブライアンは猟犬訓練用のニシンのように扱われて砂の中で死んだのです。彼は、尊敬すべき、抑制のきいた、才能に恵まれた、そして他を気遣う人間でした。彼が生きて活躍していることで世界はより良いものとなったことは疑いありません。彼がイリノイの州兵として任務を終えて、自らの良心に従ってイラクの任務についたのです。彼は砂漠での任務を事故をものともせず続けていたのであり、救助が来るまでの間、半時間ものあいだ出血は続いていました。証言者たちによれば、彼が乗っていたヘリコプターは離陸後たった5分で墜落したにもかかわらず。
彼の死後、わたしは彼からの二通の手紙を受け取りました。2004年4月には帰郷したいと書いてありました。クリスマスの日に、彼のお墓を訪ねました。彼の命はもう戻ってはきません。彼の命は大統領が狂ったように戦争に突進することにより奪われたのです。その戦争は、国連に反対し、古い同盟国であるフランスやドイツにも反対し、西欧の宗教の「正当な戦争の教義」にも反し、ほとんどの文明国に反対して強行されたのです。
あなたは平和と繁栄に責任があり、殺人と混乱、そして国家に多額の負債を作った責任もあるのです。現在ヘリコプター墜落事故調査が進められており、この事故でブライアンと15人のアメリカ人の仲間の命が奪われたのですが、この調査によれば、イリノイの州兵の航空機が戦場に送られたのですが、基本的な生命救済装置を備えておらず、もっぱら大統領の「まず銃撃し爆撃せよ、考えて調査するのは後回しにせよ」という外交政策に適応していたに過ぎません。私たちは戦争好きの大統領は要りません。
利益を得た人はもうけもの、そして愛する人を失った人はただ泣いているしかありません。愛する人を失った私たちはただただ涙でもって、愛と笑いが本来生きるべき空間をむなしく満たすしかないのです。なのに、あなたとあなたのハリバートンの仲間たちは油井を見つけて、血塗られた手で利益を得ていることは疑う余地がありません。私たちは悲しみ、あなたは儲ける。ブライアンは良心を持っていたが、誰かはそうでなかった。ブライアンは思慮深かったが、誰かはそうでなかった。ブライアンは思いやりがあったが、あなたはそうでなかった。ブライアンは嘘をつかなかったが、誰かはそうでなかった。ブライアンはずさんではなかったが、誰かはそうではなかった。
敬具
ローズマリー・ディーツ・スレイブナス
2004年2月4日
イリノイ州ロックフォード